滝口幸広さんの訃報を受けて

滝口幸広さんをわたしが知ったのは、「舞台ラブ米」でした。推しが出ていたので足繁く通ったのですが、当時のわたしは厄介キチガイオタク発動中。2部にライブがあるのでそこでのファンサで一喜一憂。狭い会場ということもあり、同担の顔は大体覚えちゃうんですよね。同担との睨み合い、潰し合い。嫌いな同担はファンサもらってたのに自分は干された。みたいな戦場で、正直とてもしんどかったです。

ほぼ毎日通っていたのですが、時にはホテルでもう行きたくないって泣いたり、マチソワ間友達と喫茶店で泣いたり、ほんとにヘビーでした。ある意味とてもオタク!って感じだけど。

その作品に滝口さんも出演されていて、鴨兄弟の「兄鴨」という役でした。本当に、毎公演毎公演とても笑わせてもらいました。当時、ラブ米に通っていた友達からも滝口さんにファンサをもらったとか、いつも笑わせてもらってるとか、好きだな〜とか、そういう話をたくさん聞きました。キチガイオタクたちはみんな、滝口さんの兄鴨に救われていたと思います。

推しじゃない分際でこんなことを言うと怒られるのかもしれませんが、わたしは滝口さんが好きでした。きっとみんな好きでした。推しも滝口さんをとても慕っていて、好きなのが伝わっていました。

 

その後、わたしが好きなA3の舞台にも出演されていて、また滝口さんの演技を見ることになりました。エーステはとても人気な舞台で、わたしも好きな作品で、そこに知っている好きな俳優さんが出演していることに素直に嬉しく思っていました。次回公演である秋組単独公演にも当たり前のように出演されて、また拝見することができると思っていた矢先です。

わたしは早く寝たので朝訃報を知ったのですが、まずは、嘘でしょって思いました。しばらく受け入れられずにいました。Twitterではさまざまな悲しみの声が溢れていましたが、わたしはそれを見てもまだ理解が追いつかず、何かそういう物語を見ているような気分でいました。

でも、今日北乃颯希くんのブログを読んで、一気に現実味が押し寄せてきました。それは、自分にとって思い入れの深いラブ米のことが書いてあったからだと思います。一気にいろいろなことを思い出しました。クラブex。みんなで食べたおにぎり。みんなで踊ったパラパラ。お客さんのペンライトを自分の色に変えていく兄鴨。毎公演たくさん笑わせてくれたアドリブ。涙があふれて止まりません。

わたしは、ラブ米に通っていた期間中、前途した通りとても辛かったししんどかった。だけどラブ米はとても面白くて楽しかった。矛盾してるけど、オタクとしてしんどい現場だったけど、作品は本当に面白くて楽しくて大好きだったんです。そういう気持ちでいられたのは、紛れもなく滝口さんの兄鴨のおかげです。ラブ米を辛い思い出だけで終わらせることにならずに済んでよかった。ありがとうございました。

 

どうか天国でも好きなお芝居を思いっきりしてほしいです。思いっきり笑わせてほしいし、笑っててほしい。俳優仲間とのやりとりを見ていて、本当にみんなに愛される素敵な人だと思っていました。あまりにも早すぎて。きっとたくさんやり残したことがあると思います。本人が一番悔しいだろうなあ。

そして、虚血心不全はとても苦しいと聞くので、そのことを考えると胸が痛いです。

 

当たり前のように次の現場があると思ってしまうけど、そうじゃないんだよな。会える時に会っておかないと。自分も推しも、いつ何が起こるかわからない。人間ってほんと儚い。どんなに良い人でも悪人でも、美人でもブスでも金持ちでも貧乏人でも、みんな揃って将来は死ぬんだもん。わたしはすぐに死にたいとか消えたいとか思ってしまいます。だけど、その時がくるまで、生きる。生きたくても生きれなかった人の分までとかそんな大それたことは思えないけど、わたしはただわたしを全うする。

 

12月に久しぶりに推しのイベントに行きます。本当は少し迷っていたけど、会いに行ける時に会いに行こうと思いました。

 

滝口幸広さん。

本当にありがとうございました。おつかれさまでした。わたしはあなたのことを少ししか知らなかったかもしれません。正直ファンと言える存在ですらなかったです。だけどわたしはあなたの演技を見て、たくさん笑顔や元気をもらいました。出会えてよかったと思っています。どうか、安らかに。わたしの推しは滝口さんにとても懐いていたように思います、空の上からずっと見守ってあげてください。

ご冥福をお祈りいたします。